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2016/3/6 ハンブルク・バレエ「リリオムー回転木馬」 [バレエ]

2回目の今日のほうが、理解が進んだ分泣けてしまった。

ホワイエにあった風船は本日はなし。残念!
バレエ団グッズもほとんど売り切れていて、XSサイズのTシャツが残り数枚とのことだった。
キャンバス地のエコバッグ?もTシャツも2015のイヤーブックも引っ越し公演グッズとしてはお値打ちだったのだけど、今回は震災の募金箱を設置したということだったので、グッズは買わずにその分を募金箱へ入れさせてもらった。
でも珍しくDVDがセールになっていたので「ヴェニスに死す」他2枚は購入した。

本日はS席正面前方席で、すべてがよく見えた。
音も録音と生音ではかなり違っていたし、何よりバンドが演奏していると2階部分に譜用の灯りがつくのでわかりやすい。
とはいえ、灯りが変に目立つわけではない。ちゃんと舞台に馴染んでいる。
おととい音の違いがわからなかったのは、舞台を追うのに必死だったからかも。
そして本日はオペラグラスを使って、細部も表情もじっくり観た。
ノイマイヤーの演目は、絶対1回見るだけでは足りない!


本日気づいたこと。
・リリオムが首になったあと、別の人が客引きをしているけれど、
 女の子たちに「リリオムじゃない!」「いやー!」と逃げられていた。
 遊園地が傾いたのも納得。
・ジュリーが赤ちゃんのルイスをくるんでいたのは、1幕ラストでリリオムから脱がせたダンガリーシャツ。
 よく見ると頭の上辺りに襟がついていた。
 映画の「ブロークバックマウンテン」みたいにとっておくのかと思っていたら、ちゃんと使っているのね。
・天国の門番に風船男と行くときの曲が、ストラヴィンスキーの「兵士の物語」の曲に激似。
 ウィル・タケット版でいえば、兵士が戦争から帰り、歩いているところの曲。
 あれもある意味あの世とこの世を横切る時の音楽だなぁ。
・結婚式でリリオムとフィスカーが階段を登っていくところ。
 何をしているのかというと、バンド横はカフェのようになっており(1幕ではジュリーが働いていた)
 マダム・ムスカーシュがいる。リリオムとフィスカーは何事か話すのだが拒絶され、マダムは席を立っていた。
 お金の無心か、再就職のお願いか…

4日に見た時にはA席で1階R側だったのだが、これが結構辛かった。
私の席はリリオムのポスター3枚がなんとかギリギリ見られる位置だったので
ジュリーやマダムがポスターに見とれたり、リリオムが破ったりというが見えた。
でもR側だと相当数の人が見えなかったのではないだろうか?
これが見えないと、マダムが本心からリリオムが好きだったというのが分かりづらいと思う。

ジュリーの友人マリーの結婚式のシーンでは、サイドから見たせいか
マリーがリフトされるとウェディングドレスとベールが流れるように舞っていて
映画の「アンダー・グラウンド」の結婚式シーンのようで素敵だった。
本日正面から見るとそうでもなかったり。

好きなシーンは、1幕でジュリーとマリーが仕事を終えて遊園地にやってきた時に
サッドクラウンが帽子を拾うシーン。
ジュリーがとっても可愛らしくサッドクラウンを応援するのだ。
両手を握って、上下にブンブンと振って「頑張って!できるよ!」という感じ。
まだまだ少女なんだなということが良く分かる。

その後のマリーと彼氏とジュリーの3人でのベンチのシーンも可愛い。
くるくると座る位置を変えてはしゃいだ雰囲気が出ている。
でもジュリーは寂しそうなんだけどね。

あ、ジュリーがリリオムに回転木馬に乗せてもらうところも良かった。
ふとジュリーの手がリリオムに触れてしまい、ジュリーははっと手を引くのだけどリリオムはまったく気にしていないので、ジュリーが勇気を出して自分の手をリリオムの手に重ねる。
この雰囲気がとってもよかった。
ここのシーンはR側のほうが良く見えると思う。
回転木馬は下手から上手に向かってまわっており、問題のシーンはちょうど正面辺りから上手にかけてになる。
だから下手側(L側)の人だと気付きにくいのだ。

あとはマリーがウェディングドレスを縫っているシーンで、マリーのウェディングベールをジュリーが付けてみるのだが、その時の表情が本当に良かった。
リリオムと暮らし始めたけれど、たぶんウェディングドレスもベールもジュリーには縁がない。
なので切ないような憧れのような夢見るような表情をする。

それにしてもコジョカルのジュリーはいい。
あどけなくまだまだ子供っぽいジュリーから、リリオムに恋するジュリー、
そして現実を知り何かを諦めたかのような、でも凛とした表情のジュリーと
しっかりジュリーの成長が伝わってくる。
ラストのベンチでは泣いているのを見て、こちらも落涙。
本当に素晴らしかった。
エレーヌ・ブシェがジュリーだと、また感じが違うだろうなぁとしみじみ思う。
どちらも見たいけれど、日本で初演のコジョカルが見られたのは本当にうれしい。
本当に当たり役&ハマり役だ。(当たり前と言えば当たり前なんだけど)


リリオムとルイスの踊りは3回ある。
1幕最初のシーンは、4日に観たときと同じようにルイスがリリオムを疑いつつ踊っているように見えた。
腕をとっても邪険に振り払われるし、星は付き返されるしで、リリオムはイラついた揚句にルイスを打つようだった。
そして1幕最後の方では、ジュリーから妊娠を告げられたリリオムが息子との将来を夢見て踊る。
こちらではリリオムとルイスは意思の疎通が出来ており、ルイスはリリオムを見つめ、リリオムのまねをして踊るのだ。
リリオムも伸び伸びと踊り、幸せ一杯な親子のパドドゥとなっている。
本日はこのシーンでも涙が出た。
1幕最初の踊りとの落差が、胸に迫る。
最後は2幕。こちらの振りは1幕最初のものとかなり似ているけれど、ルイスが自分の状況にいら立っている時にさらに逆なでするように裕福になったマリーとその家族が街を出ていくシーンがある。
このシーンがあるからルイスの孤独感が余計に伝わってくる。
なのでその後にリリオムが現れたときに1幕最初のように邪険ではなく、「わかってくれる人が現れた!」という感じに見えるのだ。
そのせいか1幕最後の親子の踊りのように、意思の疎通がある喜びの中での踊りに見える。
そこからの殴打。ルイスにとってもリリオムにとっても痛みは大きかったと思う。
ここら辺から涙腺が決壊気味になった。





さて、本日はノイマイヤーさんによるプレトークがあった。
トーク相手はいつものようにダンスマガジンの三浦さん。
しかし寝坊して後半しか聴けなかった。残念!
それでもちょうど訊きたいと思っていたことから聞けた。
それは何故ジュリーの子供を男の子にしたのか?ということ。
「男の子にすることによって新しい時限(次元?)を作りたかった。リリオムの少年時代を表したかった。リリオムとルイスを重ね合わせることができる」
なるほどー。
子供のルイスがリリオムと同じ振りで怒りを表していたけれど、
単にリリオム→ルイスではなく、子供のリリオム→大人のリリオム→ルイスを感じて欲しいってことね。
確かに4日の公演でもはっきり意識したわけではないけれど、リリオムは恵まれない(満たされない)子供時代があったんだろうなという感じは受けた。

あと質問を覚えてないのだけど
「ジュリーがいれば、リリオムの葛藤、弱さがより表現できる」というのも納得。
ジュリーが純真であればあるほど、リリオムはツラいよね。自分の良くないところばかりが目について。

そして三浦さんが「この世とあの世の物語だ」というようなことを言って、そこからの返答では「舞台上であの世とこの世の繋がりを表現したかった。シンボリックなものとして星=電球を使った」。
この世とあの世の繋がりは確かにわかりやすかった。
大きな場面転換がなくても、星(電球)が降りてくることによってリリオムが天界に向かっているというのもわかるし、そもそもこの世もあの世もひと続きなんだと思える。

で三浦さんが「能も同じようにこの世とあの世の表現があるけれど…」と水を向けると
「能大好き。今回は時間がなくて見られないのが残念。今作もあの世とこの世のコミュニケーションを考えていた。バルーンマンがそのつなぎ役になっている」
風船男、重要だよね。能は全然わからないけれど、バレエ(踊り)ならではだと思う。
言葉で表現するより、踊りのほうがダイレクトに伝わると思う。

最後は三浦さんから宣伝のような「ガラの演目で意外にも日本に持ってきていない作品は2演目だけしかない」という言葉から
「裏方含め総勢約120人でやってきた。何を見せるか大問題。プリンシパルが踊るPDDだけではなく、総勢30人で踊るような演目もある。ダンサーは全員出る。プリンシパルだけを見せるのではない、現在のハンブルク・バレエ団を観せたい」
そうなのかー。バレエ見始めた頃はよくわからなさそう&招聘元がマイナーでかつぴあとかで良い席がなくて高い、という辺りがハードルになっていて、2演目持ってきていてもどちらか1演目見ればいいかと思っていたので、殆んど見ていないんだよね。
ということは過去作の全幕を見るには現地に行くしかないってことなのかなぁ。
三浦さんが「ガラ公演は世界的に珍しいのではないか?」と尋ねたら「こういった演目が多いガラは初めて」とのこと!
おお、そう聞いたら俄然8日も行きたくなってきた!でももう席が余り残っておらず、9日だけか…としょんぼりしてしまった。
1回だけなのでガラはしっかりじっくり見なければ!

と、NBSの映像がきたのでリンク。



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