映画「若者のすべて」 [映画]
「デジタル完全修復版」ですよ、「完全」ですよ!
一部オリジナル・フィルムからの復元ということで、削除されたシーンが追加されているとか。
以前のバージョンを見てから行ったわけではないので、どこか増えているのかわからず。
それにしてもアラン・ドロン演じるロッコ、本当に美しい!
内気で繊細な表情も、兄シモーネを助けるためにボクシングで生きていこうと決心する表情もとにかく美しい!
これの前が「太陽がいっぱい」のギラギラしたリプレーなので、演技力あるなぁと改めて思う。
5人兄弟+母親の物語だけれども、これがなかなか辛い。
長男のヴィンチェンツォオは兵役によって、故郷&母親から逃れられてミラノで婚約もしてほっとしていたのに、結局は母親に捕まってしまう。
母親からのプレッシャーから逃れるために事なかれ主義的になってしまったのもむべなるかな、という感じ。
とはいえ結婚して独立できたので、まだ幸せか?
次男のシモーネはまぁクズですな。劇中でも何回か「人間のクズ」と言われているけれどその通り。
でも無学で田舎者で何も知らずに都会に来て、野心が空回りしてという境遇を考えると少し哀れにはなる。
三男のロッコは、ある意味少し足りないかわいそうな人でもある。
彼には「許すこと」しかできない。大抵の場合はそれは「善」なのだけど、そうでもない場合に悲劇となる。
シモーネとロッコは表裏一体のような感じなのだ。
たぶん年も近くて仲が良いのでそうなってしまったのかなーと思わせる。
四男のチーロは堅実。上3人を見ているせいか、ミラノできちんを根を張ろうと努力し実を結ぶ。
五男のルーカはまだまだ子供だけど、チーロが側にいればまっとうに育つかなぁ。
しかしやはりイタリアのマンマは凄い。
彼女が台風の目。
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