映画「やわらかい手」

やわらかい手 スペシャル・エディション

• 出版社/メーカー: ビデオメーカー
• メディア: DVD

「あのマリアンヌ・フェイスフルが主演」という触れ込み。
だが私は「あの胸にもう一度」は見ていないので、マリアンヌ・フェイスフルの美貌は
DVDのパッケージやチラシなどの写真でしか知らず、
ピエール・マンディアルグの原作「オートバイ」を読んで映画の雰囲気を知っただけ。
早熟な中学生にとって、古い映画である「あの胸にもう一度」を見るのは難しかったのだが
原作なら図書館においてあり、心置きなく読めたからね。

「やわらかい手」の公開に合わせて「あの胸にもう一度」も公開されていたのだが
入院やら引越しやらで、全然見に行くチャンスがなかった。非常に残念。


が、遅ればせながら見た「やわらかい手」。
なかなか難しいテーマというかシチュエーションを扱っていると思うのだが
とても面白かった。

映画の中で、解決する問題もあれば、解決しないで終わる問題もある。
でもマリアンヌ・フェイスフル演じるマギーのなんとも言えない歩き方、あれを見ていると
「なるようになるさ」としか思えない。
とぼとぼというわけでもなく、ぽてぽてと淡々と一歩一歩しっかりと歩いている姿は
なんというのか心強い。

しかし、面白い映画だったし、上手い映画だった。
性に関することで、笑えもするし、悲しくもなる。
もちろんマギーの家族の有り様についても、とても考えさせられる。
やっぱり女は味方だよな、とつい思ってしまった。
見ている間に色々な感情を引き起こすのだが、あざとくなくて素直に受け止められる。
ウェットになりすぎず、さりとてからりとしているわけでもない。
上品過ぎず、下品すぎず。
絶妙な味わいの映画だった。