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2012/2/21 アリーナ・コジョカル ドリームプロジェクト<B> [バレエ]

本日は「アリーナ・コジョカル ドリームプロジェクト」。
Aプロは行けなかったけれど、Bプロへ。

【第一部】
★ラリナ・ワルツ
初めて見る演目。女性はロイヤル陣3人。男性はリアブコ以外の4人が出演。
「あれ?次の演目はマックレーとマルケスじゃ?」と疑問に思っていたら
途中から2人はでなくなり、ラストはコジョカルとカスバートソン、コボーに
ムンタギロフ、ポルーニンの5人となっていた。
なんていうのか、踊れる人が揃ったガラにはぴったりの演目。
ただ本来の人数とは違うようだったので、いつか完全版がみてみたい。
それにしても、コジョカルの回転をサポートしているコボーが
おもいっきり客席に背中を見せていて、コジョカルが見えないシーンは驚いた。
あれはどういう意図による振付なんだろう?
確かに殆ど見たことがない角度だけど、そう面白いわけでもないし…

★タランテラ
ロベルタ・マルケスとスティーブン・マックレーによる「タランテラ」。
マックレーはキッレキレ。足先までピンと張って、それでいて軽やか。
ついさっきまで「ラリナ・ワルツ」踊っていたとは思えない。
大仰なキメポーズすらも小気味良くて面白い。
たいしてマルケスは、あまり好みではなかった。
きっちり踊っているのだけど、なんていうか癖の付け方がねっとりしてる。
重くてくどく感じるんだよね。
というわけで、二人のバランスが少し悪い気がした。
それでも十分気持ちが盛り上がるプログラムだったなぁ。

★くるみ割り人形よりGPDD
ENBからダリア・クリメントヴァとワディム・ムンタギロフ。
正直、「タランテラ」の次なのにガラ公演で「くるみ割り人形」じゃ分が悪すぎる、
箸休め的演目かと思って舐めてかかってました。
ごめんなさい。
本当に本当に素晴らしい「くるみ割り人形」でした。
クリメントヴァは少しお年かなぁ、という雰囲気があったけれど
本当に端正で綺麗な踊りで、お手本のような踊りとはこういう踊りだろうなぁと
しみじみ思わせるものだった。怪しげなところが一つもない。
それでいて可憐。
ムンタギロフはパッと見、若いのか年なのか分からなかったけれど
ソロ部分を見ると、若い!と驚いた。
まだ経験が足りない感はあるけれど、背も高くスタイルもよくてノーブル。
ふたりともガラらしく、それなりに技も入れているようなんだけれど
いかにも「やってますよ!」的な誇示がなくて、本当にうっとりできた。
この二人を呼んでくれたコジョカルとNBS、本当にありがとう!

★ディアナとアクテオン
ローレン・カスバートソンとセルゲイ・ポルーニン。
カスバートソンが少し損だったかなぁ。やっぱりこの演目ではポルーニンに目が行く。
でもカスバートソンが弓を射る仕草は、きりっとしていてとても好き。
ポルーニンは笑っちゃうくらい凄かった。
540が今まで観た540とは別物のように、ギュイっと回っていた。
しかも連発。どうなっているの???
身体のラインも美しく、こんなに身体と才能に恵まれているのに
ロイヤル退団してしまうというのは本当に勿体無い。
嘘か本当かタトゥーショップを開きたいというポルーニン、
実際に上腕には大きなタトゥーがあると思われ、肌色テーピングで隠していた。
反対側の上腕も細いテーピングで隠している部分があり、タトゥー好きなのね、と苦笑い。
それにしても、本当にポルーニンは素晴らしかった。
ガラなんだし、最後かもしれないし、思いっきりどんどん踊ってくれ、という気分。

★椿姫より第三幕のPDD
コジョカルとアレクサンドル・リアブコ。これが見たくて来たようなもの。
ただなんとなくリフトが滑らかではなく、いまいちのめり込めない。
しかもここぞ、という時に客席から2回も携帯音が…
静かめなシーンだったので、本当に目立った。
見ていた私は、この携帯音で完全に集中が切れてしまった。
うーーーーーん。残念すぎる。

【第二部】
★ザ・レッスン
初めて見る演目。イヨネスコの不条理劇「教師」を元にした1幕もの。
教師役はヨハン・コボー。ピアニストはローレン・カスバートソン。
そしてバレリーナはアリーナ・コジョカル。

幕が上がると薄暗い舞台。下手にはピアノ、上手にはバーがあるレッスン室だ。
でも楽譜らしき紙が散らばっていたり、椅子2脚がバラバラに倒れていたり
なんだか荒れている様子。
そこへピアニストがやってくる。神経質そうで小うるさそうなピアニストが
紙や椅子を片付けていると、バレリーナが家の呼び鈴を押す。
このレッスン室が半地下みたいになっていて、家の戸口にいるバレリーナの脚が見えるのが面白い。
ピアニストがバレリーナを招き入れると、バレリーナは物怖じせずに
教師用っぽい椅子に座ってしまったり、無邪気な動作を繰り返す。
ツインお団子に明るい色のビニールコートを着たコジョカルは、本当に愛らしい。
そしてピアノの上にあるトゥシューズを目ざとく見つけ、小躍りするバレリーナ。
トゥシューズに屈折した思いがあると思われるピアニストは、
トゥシューズを取り上げ、バレリーナを着替え部屋に追いやる。
バレエシューズで出てくるバレリーナ。どうやらトゥシューズはまだ履けないようだ。
そこへちらりと顔だけ覗かせる教師。
もうこの表情だけで、教師は変態だ!と思わせるような素晴らしい表情(笑)
出てきかたも、とにかく怪しい。
バレリーナが求めた握手を、すっとかわす教師。挙動不審さ満載!

レッスンが始まるが、そのレッスンたるや「なんぞこれ?」。
へんてこな振付もなんなくこなすバレリーナに教師は押され気味。
しかし後列から俯瞰で見ていると、レッスン室の右に教師とバレリーナ、
左にピアニストと結構距離がある。
それなのに教師とバレリーナは、ときどきかなりドキッとするほど近くにいる。
バレリーナは無邪気で、その距離の近さに全然不審感がない。
教師は距離の近さに慌てたように、バレリーナを一人練習させ
ピアニストと口論になる。そしてその口論の末、ピアニストの反対を押し切って
バレリーナにトゥシューズを履かせる。
ピアニストはレッスン室から追い出されるが
初めて履くトゥシューズに舞い上がるバレリーナ。
しかし足がいたくなり、思ったように踊れない。
ここで立場は逆転。バレリーナは劣勢になるが、教師は容赦無い。
もっと!もっと!踊れ!踊れ!と煽り立てられる。
泣き叫んでも教師のレッスンは止まらない。
帰ろうとバッグを掴んでも、バッグを蹴られる。
まさに狂気に落ちた教師により、絞殺されてしまうバレリーナ。
ふと我に返った教師は、ピアニストを呼ぶ。
その時舞台上は、幕が上がった時のように椅子が倒れ、乱雑になっている。
ピアニストは、教師とともにバレリーナの遺体を奥へ運び入れる。
そしてレッスン室を片付け始めると、また次のバレリーナが呼び鈴を押す…

とても見応えのある1幕だった。
それにしてもコボーは変態すぎる(笑)
コジョカルの可愛らしさと相俟って、変態さ倍増。
カスバートソンのピアニストは、四角四面な感じや、屈折した感情を感じさせた。
これいろんなキャストで見てみたいなぁ。


【第三部】
★ドン・キホーテよりディヴェルティスマン
もうここまででかなり満足しているのだけど、この最後の演目がガラらしい
豪華絢爛て感じで素晴らしかった。
もう技・技・技のオンパレード。
笑っちゃうくらい、みんなばんばん跳ぶし、ぐるんぐるん回る。
バランスだって、むっちゃくちゃキープする。
ガラだしね、もう曲とかいいよねって状態。
リアブコがでなかったのが残念だけど、もう大満足。
眼福すぎた。

ダンサーの名前が冠されたガラで、こんなに楽しくて素晴らしくて満足度が高いなんて
ものすごい久しぶりなんじゃないだろうか?
Bプロを見に来てよかったと、心底思えたわ。

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