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2014/4/27 新国立バレエ「ファスター/カルミナ・ブラーナ」 [バレエ]

もう一回見たくて駆け込み。
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結果、2キャスト観られて、違いがさらに面白かった。

★ファスター
バスケっぽい男性4人(たぶん役名でいうところの「チームB」)の一人が
恐ろしく足が上がっていなくて、怪我でもしているのかと心配になるくらいだった。
どうしたんでしょう、彼は???
そして体操(役名ではたぶん「跳ぶ」)のリフトが今日は結構不安定な感じ。

しかし2回目ということもあり、色々考えながら見ていた。
フィギュアの世界選手権の時に、友人と昼食をとっていてソチ五輪の話になった。
フィギュアスケートは五輪種目でもあるので、もちろんスポーツである。
でも曲の解釈や振り付け・構成が採点としてあったりと、なかなか普通のスポーツとはいい難い。
(新体操も確か芸術点があるけれど、フィギュアより技術部分の採点がわかりやすいかな。
フィギュアスケートは、回転不足かどうかというのが非常にわかりにくい。
振り返り映像で見ても回転が足りているようなのに判定は不足とか。
フィギュアは技術点もわかりにくければ、演技構成点<曲の解釈など>もわかりにくい)
バンクーバー五輪は、個人的にはフィギュアスケートはスポーツとは言いがたい状態であったと思う。
短絡的な見方かもしれないけれど、チャレンジせずに自分のできることをやる、という人が勝った試合だったからだ。
初めてフィギュアスケートを生で見た2007年の世界選手権、
男子は一部選手が4回転にチャレンジしていたりして、攻めていた。
やはりスポーツであるからには、挑戦は必要だと考える。

ただ採点競技であるだけに、他選手との演技構成の駆け引きが生まれる。
そのため新たな技に挑戦することなく、自分のできる範囲で磨きをかける方向に行ってしまう選手もいる。(有力A選手が4回転に失敗して点が伸びないので、自分は3回転にして加点を目指すとか)
1試合単位でのその駆け引きはありだろう。
メダルを獲れるかどうかは、アマチュア選手にとってはその後の人生設計ですら変わってしまうほどの大事だろうから、メダルを獲るためにはなりふり構わないのも納得できる。
そう考えると、バンクーバー五輪でのフィギュアはスポーツとしてはモヤモヤしたものが残るけれども戦略としては納得できるところがある。なんといってもオリンピックなのだ。
メダリストになるかどうか、更にはゴールドかどうかでまさに人生が変わる。
ただ数年単位でそのような戦略を用いている場合、
その状態はスポーツであるのか?と常に疑問に思ってしまう。

たとえば砲丸投げで常に21m投げられるとしたら、一般的に素晴らしい選手だろう。
優勝も狙える。
ただ、常に21m投げられることを目指すと言われたら、「???」ではないだろうか。
21m投げられたら、次は21m1cmを目指す(22mでもいいけれど)というのが
スポーツとしての正しい方向だと思うのだ。
もちろん常に21mを目指すのだって、日々の鍛錬が必要で並大抵のことではないと認識している。
でもそれって、そう言ったらバレエと同じではないか?
ものすごい進歩はないけれど、日々鍛錬して常に素晴らしい舞台を見せるようにしている。
でもバレエはスポーツではない。
フィギュアスケートはスポーツなのだから、「より速く、より高く、より強く」を目指して欲しい。
ソチ五輪では男子は優勝のためには4回転が必須条件となった。(以前に戻ったとも言う)
今後もこれは続くだろうし、さらには4回転2種になっていくだろう。
女子は残念ながら停滞気味。ただ浅田選手がFSで見せてくれたチャレンジは
女子フィギュアにスポーツとしての風穴を開けることになるといいなと思う。

とこんな話を友人としたのを思い出していた。
そして技術は突き詰めると「美」になると私は考えている。
スポーツにおいて技術を極めるともちろん結果もついてくるだろう。
そしてそこに「美」もある。
今回のこの「ファスター」、面白いのだけれども
やはり本物のスポーツの持つ「美」とは異なり、エッセンスの抽出だったと思う。
なので五輪前後の上演がいい。
五輪前はこれから見られるであろうスポーツの「美」に思いを馳せ、
五輪後は反芻するよすがに見る、これが正しい「ファスター」の見方な気がしている。

音楽はシンクロのシーンでの畳み掛けるようなところが好き。


★カルミナ・ブラーナ
20日とは異なるキャストで、結構違う印象。
運命の女神、20日はアルカイック・スマイルな女神という印象。
最初は付け入る隙がありそうな雰囲気で、でもラストは突き落とす。
本日の女神は、最初から全く隙がない。
「期待するのは馬鹿のすること」とでもいいそうな女神。
どちらが残酷かというと20日の女神のほうが残酷かも(笑)
でも踊りは本日の女神のほうがきりっと引き締まって好み。

ロースト・スワンは断然20日が好き。
20日はキュート。
本日はキュートさはなく、運命の女神のような超然とした感じを受けた。

神学生2の踊りもよかったけれど、本日は神学生3がタイロン・シングルトン。
パンツ1枚での踊りは本当に奇麗な身体で素晴らしかった。
彼はきっと王子役も上手にこなすだろうなーという踊り。
BRBの来日公演で主演があることを期待している。

ああ本当に素晴らしかったなぁ。
音楽も生オケ、生合唱で堪能した。

終演後、秘蔵映像上映のために客席で待っていると
オケがはけた後に合唱メンバーが1列ずつ退場していた。
たぶんオケピが狭いから一気に退場できないんだよね。
すると客席から合唱メンバーに拍手が!
合唱メンバーも嬉しそうに手を振って退場していってほんわかした。

秘蔵映像は、ビントレーのインタビューがメイン。
ダンサーからの質問に答えるというシーンもあり、男性ダンサー2人が
「ペンギン・カフェ」の振り付けについてビントレーに尋ねていて
その下りがほのぼのとして面白かった。
後半は「パゴダの王子」の宣伝。
「パゴダの王子」も見そびれているので、帰りにチケットを購入して来た。
まんまと秘蔵映像にノセられてしまった!

★ファスター
跳ぶ:本島美和、菅野英男、奥村康祐
投げる:福田圭吾、米沢唯、寺田亜沙子
闘う(ファイターズ):小野絢子、福岡雄大
マラソン:五月女遥 ほか全員

★カルミナ・ブラーナ
運命の女神フォルトゥナ:湯川麻美子
神学生1:菅野英男
神学生2:八幡顕光
神学生3:タイロン・シングルトン(バーミンガム・ロイヤル・バレエ)
ローストスワン:長田佳世
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