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2016/7/26 ジャパンアーツ オールスターガラ<Aプロ> [バレエ]

女性陣はロートルばかりとか言ってごめんなさい。
もうフェリ、ニーナにはひれ伏すしかない。

2016/7/18 バレエの王子さま・Bプロ [バレエ]

文句つけつつも2回目。
個人的にはプロの方がこなれていて良かった。

2016/7/15 「バレエの王子様」Aプロ [バレエ]

この小っ恥ずかしいタイトルを恥ずかしげもなくつけるNBSのセンスに脱帽。
反対する人はいなかったのだろうか?

2016/6/25 英国ロイヤルバレエ「ジゼル」 [バレエ]

マックレー凄い。
本当に凄い。

2016/6/18 英国ロイヤルバレエ「ロミオとジュリエット」ソワレ [バレエ]

ソワレのキャストはこちら。
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ジュリエット:ナターリヤ・オシポワ
ロミオ:マシュー・ゴールディング
マキューシオ:マルセリーノ・サンベ
ティボルト:平野亮一
ベンヴォーリオ:ニコル・エドモンズ
パリス:ヴァレリー・ヒリストフ
キャピュレット公:ギャリ―・エイヴィス
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そう、キャピュレット公にギャリー・エイヴィス!
そして昼夜と重要人物役の平野さん、お疲れ様です。

昼と夜、通して2公演を見ると、かなり違っていることに驚く。

でもまずは簡単なところから。

まずソワレのパリスはあかん!
1幕でジュリエットに紹介される時の歩き方が途中から首が前に出てしまっていて、なんというかがっついた印象の好色なパリスなのだ。
リフトも粗くて、オシポワが全然跳べていないし、どたどたした印象。
平野さんのジェントルパリスを観た後だと、本当に残念なパリスだった。
個人的にパリスは本当に重要で、イケメンでキラキラしていて、もちろん踊りというかリフトも滑らかでないとダメ。
ロミオとパリスが同じくらいの人でないと、そりゃロミオに行くよね、としか思えない。
パリスもいいのに、でもどうしてもロミオでないと!という切迫感が欲しいのだ。
そういうわけでソワレのパリスは落第だった。(好みの方がいたらごめんなさい)

マシュー・ゴールディングは出てきてロザラインにまとわりつくところからして、ゴールデンレトリーバーという感じ。
私の中では、ゴールディング=陽気な大型犬という印象が強いのだが、案の定そういう感じ。
なのでマキューシオ、ベンヴォーリオと踊っていても、きゃいきゃいした感じが強い。
それにマチネと違って、ロミオ、ベンヴォーリオ、マキューシオが大中小みたいなところも収まりがいい。
あ、でもマチネのマキューシオ、ベンヴォーリオのコンビとゴールディングでもワディムほどお小姓感は出ないと思う。それはワディムは拭い切れないノーブル感が他の二人と異なっているのに対し、ゴールディングはフレンドリーな大型犬だからなんだよね。

3人が町娘にお水をもらって顔や手を洗うシーンでも、ゴールディングもワディムと同じく壺の底を打って、顔に水を浴びせかけていたけれど本当に遊んでいる感じ。
こういう陽性の雰囲気、いいなー。

ロミオとジュリエットが出会った後の町のシーン。
ワディムの時は3人の娼婦と町娘たちはかなりいがみ合っている感じで、ロミオにキスをねだった娼婦は口を突き出して待っていたが、おでこにキスをされて悔しがる。
町娘たちはそれを見て「ほらごらん!相手にされてないよ!ぷっ!」という感じで冷やかすので、娼婦と町娘たちは更に険悪になるという感じ。
マシューの時は、キスをねだっても口を突き出さないし、おでこにキスされたのを見て町娘たちは「ほら見て!ロミオにキスしてもらったわ!いいなー」という感じで若干ほのぼの感があるのだ。
そもそもマシューロミオに対して、町娘たちがのぼせている感じがあって、ロミオはアイドルっぽい。大型犬マシューにはこの設定がぴったりあっている。
ワディムだと少し内向的な感じがするし、アイドル扱いがあまり似合わないんだよね。


しかしごめんなさい。ティボルトの平野さんが出てくると、個人的には目は平野さんにいってしまう。
平野さんのティボルトは、瞬間湯沸かしな感じですぐに怒る、怒りに溢れた若者に見えた。
瞬間湯沸かし器的なところもジュリエットと血縁だなと思わせるし、なんといってもギャリー・エイヴィスのキャピュレット公ともイケメンオーラばりばりなところが血縁ぽい。
というか、ギャリーと平野さんの並びは眼福すぎた。

マチネでのジェントルパリスとはぜんぜん違う役を1日で観られてお得だった。
でも正直に言うと、平野さんの黒髪はあのままで行くのだろうか?
漆黒の髪は顔から受けるコントラストが強くなるので、ティボルトでは役にプラスになると思うのだが、パリスではもう少しコントラストが弱い方がよりジェントルになるかと。
他の役を踊る時も、あのコントラストの強さはデメリットもあるだろう。
今後どうするのかなーと気になってしまった。
(個人的にはデ・グリューが観たい。ゴールディングやボッレ、ガニオの甘ちゃんデ・グリューとは違い、ゴメスみたいな身を持ち崩した真面目な学生風になるのかと予想)

オシポワは、いつの間にか赤毛になっていた。
黒髪のオシポワが好きだったので少し残念。
サラよりかなりおきゃんなジュリエットで、そりゃもうイキイキしている。
陽性のロミオとジュリエットで、エネルギーに満ち溢れた感じがマチネとは違う。
が、驚いたことにジュリエットとロミオが舞踏会でひかれあうシーンで、上手側にジュリエットがいるときに、下手側のロミオに向かって手をくいくいと動かしたのだ!そう、あの動きはまごうこと無く「come!come!」の動き!
ええええええーーーーー。これ今日一番の驚きだった。
たぶんというか間違いなく初めて観た、ロミオを誘うジュリエット!
なんという肉食女子!
これはアリなの?どうなの?!
まぁオシポワのジュリエットならやりかねん、という感じではあるのだけど、あまり好きではない。
ABTでホールバーグと踊ったのを見た時は、バルコニーからしか観られなかったのでどうだったのかは分からない。
しかし大胆だなぁ。
この仕草もだけど、オシポワのジュリエットはおきゃんであるがゆえに、全体的に演技が濃い目。以前ABTで観た時よりクドイと言えばクドイ。
くっきりはっきりしているので、わかりやすい。
本当にサラのジュリエットとは対照的。

そして後朝のシーンは明らかにオシポワ&マシューのほうが甘やかで良かった。
これは主にマシューの演技によるかな。ベッドに残るジュリエットを愛しげに撫でるところが、もう本当に愛情たっぷり。
その後のジュリエット開眼(と言っていいのかわからん)シーンでは、オシポワジュリエットは割と動き回った後にさっとベッドに座って、ぴゃっと去って行く印象があった。
サラほどの余韻はないけれど、情熱と行動のジュリエット、という意味では舞踏会の手まねきといい一貫している。

ただ踊りは、ゴールディングとオシポワのタイミングが合っていない感じが若干した。
マチネの二人は流れるような踊りだったのに、ゴールディングだとリフトする前にオシポワがほんの少し止まってしまう感じがする。
もっとすーっとリフトして欲しいのに!
一瞬流れが止まるのでバタついた印象が少しある。


マキューシオの死も、ワディムの時は自ら下がったところにティボルトが刺してくるという感じだったが、ソワレではマシューロミオが押したところにちょうどティボルトの剣があったという感じ。
そう、ソワレは不可抗力的な描き方だった。
マチネのトーマスティボルトはある程度殺る気があるティボルトだったので、血が付いた剣を袖で拭ったりしていた。ソワレの平野ティボルトはすこし驚いていた感もあった。

ティボルトの死はマチネの方が不可抗力っぽいのに対し、ソワレは明らかに殺しにいっていた。というかマシューも平野さんも上背があるからそりゃもうダイナミックで見応えがあった。
そんな状態からのロミオがティボルトを壁際に追い詰めてグイッと刺して、さらにトドメを刺していたから、もう明らかに殺意あるよね。
なのでロミオの嘆きもマチネとソワレでは全然違う表現だったと思う。
こうも違ってくるとは、本当におもしろい。
しかも続けて観ていないとぼんやりした私は、違いがここまで明確にわからなかったと思う。

さてマクミラン版で唯一納得が行かないのがラストシーン。
なんでわざわざロミオとジュリエットを離れさせるのか。バルコニーシーンと呼応して、手を伸ばしても届かない、もしくは死んだら届く、ということにしたいのかもしれないけれど、ジュリエットもどうせ自分を刺すならロミオの側で刺すよね?わざわざ遠いところで刺して、石台ににじりよって渾身の力で上って、ロミオに手を延ばすって無理ありすぎ。
と常々思っていた。
が、マチネのサラは以前観た都さんのジュリエットのように「一刻でも早くロミオの側に行きたい」という感じがひしひしとした。ロミオの側というのは、死後の世界のこと。
なのでロミオの側に行くよりも自分を刺すほうが先なんだと理解できた。
が、意外にも情熱的なオシポワからはそういう感じは受けず。
またマシューロミオの転がっている場所が良くなくて、明らかに石台に上るのは遠回りでしかないから、本当に何してるの?って状態。結局石台に上ってもマシューロミオの腕はとれず、太ももにタッチして亡くなっていた。
太もも?!そこでいいんか?!

ちょっとえー?と思ってカーテンコールになったら、なんとマシューが泣いていた。感極まったマシューの横でにっこにこなオシポワ。なんかこう、アンバランスさに笑ってしまった。マシューワンコは始終オシポワのことを気にしているのにオシポワは我が道を行っているから、カテコでも息が合わず、マシューが一生懸命オシポワに合わせていた。

あ、仮死状態のジュリエットと踊るシーンでも、マシューはリフトのタイミングがあっていなくて、一瞬オシポワが立った後にリフトに入るので流れがとっても悪かった。
仮死状態なんだから、立たせるなよロミオ!マシューは良いものを持っているのだから、もう少し上手くなって欲しいなぁ。

2016/6/18 英国ロイヤルバレエ「ロミオとジュリエット」マチネ [バレエ]





とりあえず、主要キャスト。
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ジュリエット:サラ・ラム
ロミオ:ワディム・ムンタギロフ
マキューシオ:アクリ瑠嘉
ティボルト:トーマス・ホワイトヘッド
ベンヴォーリオ:ジェームズ・ヘイ
パリス:平野亮一
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前回のロミオとジュリエットで確かパリスを演じていたヨハネス・ステパネクはヴァローナ大公役だった。少しイケメンの無駄遣い感が…。

ワディムは踊りも安定しているし、本当にノーブル。
でもノーブル過ぎて、ロミオのほとばしる情熱感はあんまりない。
サラも同じ。
そういう意味ではとてもバランスがとれたペアだった。

ところで以前観た都さんの時は、3幕でジュリエットがロミオの飲んだ毒の空ビンを拾って飲もうとして「中身が無い!」みたいなリアクションをとっていた記憶があるのだけど、サラはしなかった。

2幕でパパママに責められた後、ジュリエットが1人ベッドで座っているシーンは、徐々に変わる表情が精神的に大人になっていく過程のようでよかったな。

パリスはプリンシパルに上がったばかりの平野さんで、ジェントルなパリスだった。
2幕でジュリエットに拒まれつつ踊るシーンでも、少し首をかしげてジュリエットの顔を覗きこもうとしつつ踊る様がとってもジェントルなんだよね。無理に押し付けないという感じが。
でも最後の最後で辛抱たまらず、迫ってしまって拒絶されるのがなんとも可哀想で。
平野さんのパリスはとっても大人なパリスなんだよね。
ジュリエットがお子様だから見守りつつも、他の美人ともさらっとお付き合いしている感じ。
1幕でのジュリエットの片腕をとって回すリフトがもうとってもスムーズで、大変安定感があった。
滑らかすぎて本当にすーっと宙を飛んでいるかのよう。

滑らかといえば、3幕での仮死状態のジュリエットを踊らせるシーンのワディムとサラも本当によどみなく、サラは脱力しきっているかのようだった。

マキューシオとベンヴォーリオは、小柄な二人でワディムとの身長差が少し気になった。
あまりにもあるから、少しお小姓ふうに見えたりも。
個人的には3人の身長が揃っていて、わんこ3匹に見えるくらいが好き。
ベンヴォーリオのジェイムズ・ヘイは小柄だけど、バランスのとれたスタイルで見栄え良しな上に大層踊れるダンサーだった。
マキューシオのアクリ瑠嘉は、もう少し踊りが安定するといいかも。というかワディムとヘイと一緒だと少しだけ見劣りしてしまうのもしょうがないかな。

ティボルトのホワイトヘッドは、マキューシオとのバランスは抜群!若いマキューシオに対し、少し年長のティボルトで悪そう。そして格好いい。これ重要。やっぱりティボルトは格好良くないと!
身長差もあまりないので、1幕でのベンヴォーリオ、2幕でのマキューシオとの絡みもスムーズだった。
ただワディム相手になるとリーチが違いすぎないか?という感じもあったし、そもそもワディムは意外とあっさりした戦いぶりだった。
木、金の公演ではギャリー・エイヴィスがティボルトだったので、それも観たかったなぁ。

ところで、オケ。
最近のNBS公演でオケ帯同でないと、いつも結構アレレなオケが多いんだけど、今回もご多分に漏れず。いやー、ヘロヘロのオケだった。ここまでぴりっとしないロミジュリもないなぁ。
チケ代上がってもこんなオケじゃ、うんざりするわ。



2016/6/17 トランス=シベリア芸術祭 in Japan 2016 ザハーロワ&レーピン [バレエ]


ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 クロイツェル

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 クロイツェル

  • アーティスト: レーピン(ワディム),ベートーヴェン,ムーティ(リッカルド),ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,アルゲリッチ(マルタ)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/10/24
  • メディア: CD



珍しい夫婦共演のスヴェトラーナ・ザハロワとワディム・レーピンということで行ってきた。
レーピンは生で観たことがなくて、CDのジャケットから勝手にくまくましい人を想像していたのだけど、意外と細身で背も高くこりゃーもてるだろうなーという感じの人だった。
2階のLBから観たのだけど、レーピンの背中が非常に鍛えられている感じがあって素敵。
もちろん演奏も素晴らしかった。(とはいえそもそもクラシックをそんなに聴いてない耳だからなんともいえない)

ダンサーはザハロワ以外にボリショイからロブーヒンとザグレービンが来ていた。


2016/3/9 ハンブルク・バレエ「ガラ<ジョン・ノイマイヤーの世界>」 [バレエ]

構成がずるいわー。
こんな構成されたら、ノイマイヤー作品が好みな人は泣くに決まってるという感じ。

とにかくロイド・リギンス!
皆と同じ振りをしていても、腕(特に手首)の動かし方がぜんぜん違う!
素晴らしく品があって、落ち着いた大人の色気がある。
「くるみ割り人形」でポジション1から5までを披露するのだけど、その佇まいだけでもいい。
もっと観たいー。

そしてアレクサンドル・リアブコ!
気のせいかかなり出番が多かった。アッツォーニとの「アイ・ガット・リズム」の明るさも良いし、「ヴェニスに死す」も良かった。
でも断然「ニジンスキー」。全幕を見逃したのがつくづく残念でしょうがない。
「ニジンスキー」でのリアブコは、完全にあちら側に行ってしまっていた。怖いくらい役柄にも入り込んでいたと思う。
イヴァン・ウルヴァンとの「オーパス100〜モーリスのために」も素晴らしく、こちらは泣けてしまった。
もちろん相手がイヴァン・ウルヴァンというのもある。

1幕は最後の「クリスマスオラトリオ」で祝祭的気分で終わるのだが、2幕はどかーんどかーんと響く作品ばかりがぎゅうぎゅうと並んでいる。
観終わったらもう虚脱。
作品だけでも見応えがあるのに、作品の合間にノイマイヤーさんの語りが入る。
幼少からのバレエ、ダンスとの関わりなどが語られるのだが、これが作品にマッチしていてとっても良い。
最初にノイマイヤーさん自身が登場して語って始まるのだが、「キャンディード序曲」ではダンサー全員が勢揃いし、最後にノイマイヤーさんがリフトされて運ばれて来るという演出。
ちなみにノイマイヤーさんは白シャツに白パンツに黒いネクタイ(というかスカーフ?)姿。
その後はロイド・リギンスがノイマイヤーの影となり、白いシャツ、白いパンツに黒いネクタイで踊る。
「ニジンスキー」のシーンではペトルーシュカのようなクリーム色と黒のピエロ衣装をつけていたけれど、後はほぼ同じ衣装のまま。
そのノイマイヤーの分身的なリギンスが舞台袖で作品を見守るというが、更に良い。

ラストは「マーラー交響曲第3番」の衣装のまま、アッツォーニが舞台下手から上手へ行進していくのを舞台奥からノイマイヤーさんが見守る、という演出だった。
これが単に見守るというわけではなく、ポーズをとって見送るのだけど、凛々しくバレエ(ダンス)の道を進む女神を憧れと敬虔さをもって見送る、という感じが本当によかった。

ノイマイヤー作品の集大成的ガラが見られたなんて本当に幸せ。
残業しないで8日も駆けつければよかった…

2016/3/6 ハンブルク・バレエ「リリオムー回転木馬」 [バレエ]

2回目の今日のほうが、理解が進んだ分泣けてしまった。

ホワイエにあった風船は本日はなし。残念!
バレエ団グッズもほとんど売り切れていて、XSサイズのTシャツが残り数枚とのことだった。
キャンバス地のエコバッグ?もTシャツも2015のイヤーブックも引っ越し公演グッズとしてはお値打ちだったのだけど、今回は震災の募金箱を設置したということだったので、グッズは買わずにその分を募金箱へ入れさせてもらった。
でも珍しくDVDがセールになっていたので「ヴェニスに死す」他2枚は購入した。

本日はS席正面前方席で、すべてがよく見えた。
音も録音と生音ではかなり違っていたし、何よりバンドが演奏していると2階部分に譜用の灯りがつくのでわかりやすい。
とはいえ、灯りが変に目立つわけではない。ちゃんと舞台に馴染んでいる。
おととい音の違いがわからなかったのは、舞台を追うのに必死だったからかも。
そして本日はオペラグラスを使って、細部も表情もじっくり観た。
ノイマイヤーの演目は、絶対1回見るだけでは足りない!


本日気づいたこと。
・リリオムが首になったあと、別の人が客引きをしているけれど、
 女の子たちに「リリオムじゃない!」「いやー!」と逃げられていた。
 遊園地が傾いたのも納得。
・ジュリーが赤ちゃんのルイスをくるんでいたのは、1幕ラストでリリオムから脱がせたダンガリーシャツ。
 よく見ると頭の上辺りに襟がついていた。
 映画の「ブロークバックマウンテン」みたいにとっておくのかと思っていたら、ちゃんと使っているのね。
・天国の門番に風船男と行くときの曲が、ストラヴィンスキーの「兵士の物語」の曲に激似。
 ウィル・タケット版でいえば、兵士が戦争から帰り、歩いているところの曲。
 あれもある意味あの世とこの世を横切る時の音楽だなぁ。
・結婚式でリリオムとフィスカーが階段を登っていくところ。
 何をしているのかというと、バンド横はカフェのようになっており(1幕ではジュリーが働いていた)
 マダム・ムスカーシュがいる。リリオムとフィスカーは何事か話すのだが拒絶され、マダムは席を立っていた。
 お金の無心か、再就職のお願いか…

4日に見た時にはA席で1階R側だったのだが、これが結構辛かった。
私の席はリリオムのポスター3枚がなんとかギリギリ見られる位置だったので
ジュリーやマダムがポスターに見とれたり、リリオムが破ったりというが見えた。
でもR側だと相当数の人が見えなかったのではないだろうか?
これが見えないと、マダムが本心からリリオムが好きだったというのが分かりづらいと思う。

ジュリーの友人マリーの結婚式のシーンでは、サイドから見たせいか
マリーがリフトされるとウェディングドレスとベールが流れるように舞っていて
映画の「アンダー・グラウンド」の結婚式シーンのようで素敵だった。
本日正面から見るとそうでもなかったり。

好きなシーンは、1幕でジュリーとマリーが仕事を終えて遊園地にやってきた時に
サッドクラウンが帽子を拾うシーン。
ジュリーがとっても可愛らしくサッドクラウンを応援するのだ。
両手を握って、上下にブンブンと振って「頑張って!できるよ!」という感じ。
まだまだ少女なんだなということが良く分かる。

その後のマリーと彼氏とジュリーの3人でのベンチのシーンも可愛い。
くるくると座る位置を変えてはしゃいだ雰囲気が出ている。
でもジュリーは寂しそうなんだけどね。

あ、ジュリーがリリオムに回転木馬に乗せてもらうところも良かった。
ふとジュリーの手がリリオムに触れてしまい、ジュリーははっと手を引くのだけどリリオムはまったく気にしていないので、ジュリーが勇気を出して自分の手をリリオムの手に重ねる。
この雰囲気がとってもよかった。
ここのシーンはR側のほうが良く見えると思う。
回転木馬は下手から上手に向かってまわっており、問題のシーンはちょうど正面辺りから上手にかけてになる。
だから下手側(L側)の人だと気付きにくいのだ。

あとはマリーがウェディングドレスを縫っているシーンで、マリーのウェディングベールをジュリーが付けてみるのだが、その時の表情が本当に良かった。
リリオムと暮らし始めたけれど、たぶんウェディングドレスもベールもジュリーには縁がない。
なので切ないような憧れのような夢見るような表情をする。

それにしてもコジョカルのジュリーはいい。
あどけなくまだまだ子供っぽいジュリーから、リリオムに恋するジュリー、
そして現実を知り何かを諦めたかのような、でも凛とした表情のジュリーと
しっかりジュリーの成長が伝わってくる。
ラストのベンチでは泣いているのを見て、こちらも落涙。
本当に素晴らしかった。
エレーヌ・ブシェがジュリーだと、また感じが違うだろうなぁとしみじみ思う。
どちらも見たいけれど、日本で初演のコジョカルが見られたのは本当にうれしい。
本当に当たり役&ハマり役だ。(当たり前と言えば当たり前なんだけど)


リリオムとルイスの踊りは3回ある。
1幕最初のシーンは、4日に観たときと同じようにルイスがリリオムを疑いつつ踊っているように見えた。
腕をとっても邪険に振り払われるし、星は付き返されるしで、リリオムはイラついた揚句にルイスを打つようだった。
そして1幕最後の方では、ジュリーから妊娠を告げられたリリオムが息子との将来を夢見て踊る。
こちらではリリオムとルイスは意思の疎通が出来ており、ルイスはリリオムを見つめ、リリオムのまねをして踊るのだ。
リリオムも伸び伸びと踊り、幸せ一杯な親子のパドドゥとなっている。
本日はこのシーンでも涙が出た。
1幕最初の踊りとの落差が、胸に迫る。
最後は2幕。こちらの振りは1幕最初のものとかなり似ているけれど、ルイスが自分の状況にいら立っている時にさらに逆なでするように裕福になったマリーとその家族が街を出ていくシーンがある。
このシーンがあるからルイスの孤独感が余計に伝わってくる。
なのでその後にリリオムが現れたときに1幕最初のように邪険ではなく、「わかってくれる人が現れた!」という感じに見えるのだ。
そのせいか1幕最後の親子の踊りのように、意思の疎通がある喜びの中での踊りに見える。
そこからの殴打。ルイスにとってもリリオムにとっても痛みは大きかったと思う。
ここら辺から涙腺が決壊気味になった。





さて、本日はノイマイヤーさんによるプレトークがあった。
トーク相手はいつものようにダンスマガジンの三浦さん。
しかし寝坊して後半しか聴けなかった。残念!
それでもちょうど訊きたいと思っていたことから聞けた。
それは何故ジュリーの子供を男の子にしたのか?ということ。
「男の子にすることによって新しい時限(次元?)を作りたかった。リリオムの少年時代を表したかった。リリオムとルイスを重ね合わせることができる」
なるほどー。
子供のルイスがリリオムと同じ振りで怒りを表していたけれど、
単にリリオム→ルイスではなく、子供のリリオム→大人のリリオム→ルイスを感じて欲しいってことね。
確かに4日の公演でもはっきり意識したわけではないけれど、リリオムは恵まれない(満たされない)子供時代があったんだろうなという感じは受けた。

あと質問を覚えてないのだけど
「ジュリーがいれば、リリオムの葛藤、弱さがより表現できる」というのも納得。
ジュリーが純真であればあるほど、リリオムはツラいよね。自分の良くないところばかりが目について。

そして三浦さんが「この世とあの世の物語だ」というようなことを言って、そこからの返答では「舞台上であの世とこの世の繋がりを表現したかった。シンボリックなものとして星=電球を使った」。
この世とあの世の繋がりは確かにわかりやすかった。
大きな場面転換がなくても、星(電球)が降りてくることによってリリオムが天界に向かっているというのもわかるし、そもそもこの世もあの世もひと続きなんだと思える。

で三浦さんが「能も同じようにこの世とあの世の表現があるけれど…」と水を向けると
「能大好き。今回は時間がなくて見られないのが残念。今作もあの世とこの世のコミュニケーションを考えていた。バルーンマンがそのつなぎ役になっている」
風船男、重要だよね。能は全然わからないけれど、バレエ(踊り)ならではだと思う。
言葉で表現するより、踊りのほうがダイレクトに伝わると思う。

最後は三浦さんから宣伝のような「ガラの演目で意外にも日本に持ってきていない作品は2演目だけしかない」という言葉から
「裏方含め総勢約120人でやってきた。何を見せるか大問題。プリンシパルが踊るPDDだけではなく、総勢30人で踊るような演目もある。ダンサーは全員出る。プリンシパルだけを見せるのではない、現在のハンブルク・バレエ団を観せたい」
そうなのかー。バレエ見始めた頃はよくわからなさそう&招聘元がマイナーでかつぴあとかで良い席がなくて高い、という辺りがハードルになっていて、2演目持ってきていてもどちらか1演目見ればいいかと思っていたので、殆んど見ていないんだよね。
ということは過去作の全幕を見るには現地に行くしかないってことなのかなぁ。
三浦さんが「ガラ公演は世界的に珍しいのではないか?」と尋ねたら「こういった演目が多いガラは初めて」とのこと!
おお、そう聞いたら俄然8日も行きたくなってきた!でももう席が余り残っておらず、9日だけか…としょんぼりしてしまった。
1回だけなのでガラはしっかりじっくり見なければ!

と、NBSの映像がきたのでリンク。



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